朗読シリーズ『劇情』

文字から受け取る衝動や情動を、ただ身体を通して味わう。
発音の美しさや、言葉の滑らかさなど気にしなくていい。丁寧さなんて必要ない。
ただ感情のままに、身体を震わせてみよう。
これは、そんなふうに文学を楽しむための朗読シリーズです。

これは、止められない感情の奔流である。

身体を通して文章を味わうというのは、どういうことだろう?

目で文章を追い、頭の中で物語を想像するだけでも、十分に楽しむことはできます。けれど、もしその言葉を声に出してみたらどうでしょう? 喉を震わせ、体の緊張や弛緩を感じ、文字の一つひとつに身を委ねてみる。そうすることで、目で読むだけでは気づかなかった、言葉の奥に隠された光に触れられるかもしれません。

朗読に「正しい読み方」はありません。大切なのは、あなたの心がどう震えたか、その感覚だけです。

百人いれば、百通りの感じ方があります。誰の真似もせず、心のままに言葉を吐き出すことで、きっと、今まで知らなかった文章の新たな楽しみ方を見つけられるはずです。

作品リスト

  • サムネイル画像。黒背景の中央にモノクロの桜の花の写真が配置され、その上に「劇情」の大きな縦書き白文字、下部に「桜の樹の下には/梶井基次郎」の文字が重ねられている。右下に「ふみを読む。」のロゴ。

    桜の樹の下には/梶井基次郎

    俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。

  • 真ん中に「劇情」と書かれており、その下には作品のタイトル「かき/アントン・チェーホフ/神西清訳」と書かれている。右下には「ふみを読む。」のロゴがあり、背景に白黒の朝日に照らされた電球の写真が映し出されている。

    かき/アントン・チェーホフ/神西清訳

    そしてきょう――いよいよ、往来に立って人さまにものごいをする決心をしたのだ。

  • 真ん中に「劇情」と書かれており、その下には作品のタイトル「リイズ/太宰治」と書かれている。右下には「ふみを読む。」のロゴがあり、背景に白黒の絵を描いている様子が映し出されている。白黒の朝日に照らされた電球の写真が映し出されている。

    リイズ/太宰治

    私は、せがれの画がしくじっても、この娘さんをしくじらせたくないと思いました。

  • 真ん中に「劇情」と書かれており、その下には作品のタイトル「競馬/犬田卯」と書かれている。右下には「ふみを読む。」のロゴがあり、背景に白黒の競馬場の写真が映し出されている。

    競馬/犬田卯

    行って来るぜ……なんて大っぴらに出かけるには、彼はあまりに女房に気兼ねし過ぎていた。

  • 真ん中に「劇情」と書かれており、その下には作品のタイトル「駈込み訴え/太宰治」と書かれている。右下には「ふみを読む。」のロゴがあり、背景に白黒の神に祈る男性の写真が映し出されている。

    駈込み訴え/太宰治

    申し上げます。申し上げます。旦那さま。

YouTubeでもっと見る